12時を打ち終えた時計の音を聞きながら、布団に潜り込んだ。
仕事は定時上がり。
今の仕事が好きだと言って、
家族のためと思いながら、
つぶされそうになっても、帰れなくても、
気にせず働いていたあの生活からの、大きな変化。。
職場の中では、この調子で「残業しない人」という立ち位置を、確立させようと思います。
仕事が好きなら、人から奪ってすればいい。深夜になっても気にしない。
そして、職場内で明日を語りあう。それはそれで面白い。
でも、こうして早めに帰るのも悪くない。
深夜バスとタクシーを使う「あの生活」は、もう終わりにします。。。
仕事と、プライベートの両立。。
気持ちの余裕と、仕事とは違う「もう一つの軸足」をいくつも持つ生き方へ。。
私は、生き方を変えることにしました。
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以前ほど仕事をしていないにもかかわらず、毎日眠くてたまりません。
布団に入って、目を閉じました。
スーッというかすかな音。貝殻を耳にあてたときの、海の音。。
そして、何か、虫の羽音が聞こえたような気がした。
きっと夢の中。目の前がゆがみ、何かが見えた。
- 「ハエ」と「ヒト」
- 「アリ」と「ヒト」
- 「ビルの屋上」
「どういうことだかわかる?」横でオカメのお面が聞いている。
「”ハエ” と ”ヒト” だって同じ。捕まえることはできるんだよ。」
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「ビルの屋上」「アリとヒト」。。。。あの光景を思い出しました。(※)
粉のような霧雨が降る灰色の空の下で、
デパートの屋上から銀座通りを見下ろしながら、
「コペル君」が「物の見方」と「視点を転換すること」に気付く、冒頭のあの光景・・・
(※)君たちはどう生きるか (岩波文庫) [ 吉野源三郎 ]
自分と相手、周囲と自分。。
自分の立場、視点からしか見ることができない人は多いものです。
自分が置かれている状況を、多面的に見ようと意識しなければ、自分を中心に考えてしまいそうになる。私もそうです。
- 「自分の見方は本当に正しいか」
- 「物事を ”ありのまま” に見ようとしているか」
- 「無意識のうちに恣意的に見ていないか」
一度「わかった」「できた」と感じたことでも、
心の中に、自分の感覚に対する疑いの気持ちを忘れない謙虚さを持ってみる。。
試しに、目の前の小物をありのままスケッチしてみてほしい。
背景はいらない。ただ、その小物だけを写し取ってみる。10分だけ集中して。。
何も考えず、自分の主観も入れず、思い込みを排して、手元の紙に写し取る。
独自性なんていらない。下手で良い。ただ、ありのままを、黙々と写し取ってみる。
そして、出来上がったスケッチと、目の前の小物を見比べてみる。
「ありのまま」に写し取れているか、誰かにチェックしてもらうと面白い。
- 「絵をかくのは苦手だから」「上手く書けない」と言い訳をしたくなる自分がいないか?
- やっても意味がないと、適当に取り組んでしまう自分がいないか?
- 目の前の小物にはない"何か"を、勝手に付け加えていないか?
- 目の前の小物にある"何か"を、書き忘れていないか?
絵の才能など求めていない。下手でも構わない。
ただ、自分のフィルターかけずに、目の前の物のそのままを写し取るだけ。。。
中学校の理科の授業で、このことを繰り返し教えられました。(※)
「ありのまま」スケッチできているか、隣席の友人と交換して指摘し合う。
目の前にある「見えるモノ」ですら、自分のフィルターをかけずに見ようとすることは、容易ではありませんでした。
これが「目に見えないモノ」(考え方、気持ち)になると、更に難しくなるのだろうな、と感じていました。
(※)スケッチをのぞき込みながら、いつものように「アリのパパ」になってる、と言われていました。そして、「アリのママ」になるのは簡単じゃないんだよ、と。
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自分の立場、視点から見てしまうこと。。。
- 「私は今まで誰からもおかしいと言われたことがないから、間違っていない。」
- 「”普通”の生活を送ってきた私が言うのだから、これが普通の感覚。私は間違っていない」
- 「今まで、このやり方で上手く乗り越えてきたから、私のやり方は正しい」
ただ、これらの言動を裏返してみると、
実は「自分が望む結果を説明するための理由づくり」をしているだけなのかもしれません。
- 「自分が間違っていない」と言いたいから「今まで他人から”おかしいよ”と指摘されたことは無い」「”普通”の学校に行った私は”普通”の感覚を持っている」と主張する。
- 「自分はちゃんと○○をしているから問題ない」「自分は人に○○されて嫌だった、あの人は変」と言いたいから、ネットの記事や友人の発言を持ち出して主張する。
- 「自分のやり方は正しい」「受け入れてほしい」と言いたいから、高々数十年の「人生経験」を持ち出して、自分の正当性を主張する。
それが、たとえどれほどおかしな主張であっても、
「クローズな環境」に心と体を置いていると、「おかしい」と気付く機会は限られてしまいます。
そして、目の前の一人の相手に向かってなら、
自分の「おかしな主張」を堂々と言い張り、自分の中で相手を否定しておけば、
ひとまず自分自身を安心させておくことが可能です。
- 不満を感じて身近な知人に意見を求めても、きっと自分の気持ちに共感してくれる。
- 他人の問題に「おかしい」と勇気を持って言える素人は、なかなかいない。。
- これに気付いていないと、自分の正当性に自信を持ってしまう。
- そして、「自分の考え方」を肯定することになる。。。
- これは、誤った考え方から逃れられない自分に気付くことを妨げる恐れもある。
自分の壁の外には、心地よい世界、楽しい世界とは全く違う世界も広がっています。。。
- 自分と同じ世界ではない人、身近でない人達と交わってみる。
- 今まで避けてきたことに、思い込んで飛び込んでみる。
- 自分があまり好きではない人と、時には一緒に過ごしてみる。。
- 昔は嫌だと思っていた考え方を、今の自分の感じ方で、もう一度見直してみる。
- なぜ、自分は「今の考え方」に執着しているのか、もう一度考え直してみる。
そんなサイクルを回そうとするだけで、見えないものが見えてくる気がします。
必ず新しいことを始めなくちゃいけないわけでもない。
今までやってきたことを、
もう一度、先入観を持たずに「ありのまま」見直そうとするだけで、新しいことに気付くことはできるように思います。
世の中のことは、意外とシンプル。
思想も、身体も、物事の捉え方も、、大体大枠は似ている。
その中で、小さな、どうでもいいことが、目の前でうごめいている。。
そして、私たちは、
その「小さなもの」の中に埋もれて、目先のことばかり考えながら生きている。
コペル君が「デパートの屋上」から下を見下ろして感じたこと、、
この情景にすべてのことが詰まっているように感じました。
小学校の時に初めて読んで、まだ意味が分からず、
中学校の時に読み返し、「分子」に興味を持ち(←全く趣旨と違う)、
高校、大学で再び触れて、じわじわと意味が分かる。。
そして今回、また「コペル君」と再開することになりました。
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- 「ハエ」と「ヒト」
- 「アリ」と「ヒト」
- 「ビルの屋上」
飛んでいる「ハエ」を捕まえることは、「ヒト」にとって簡単ではありません。
彼らの動きは、あまりにも機敏すぎる。。
「見方の違い」には色々な観点がありますが、
「ヒト」と「ハエ」では「時間の流れ」が全く違うのではないかと感じました。
「時間の流れ」が違えば、見方や感じ方も当然違うはず。。
私たちに動じることなく、五月蠅く飛び回る姿を見ていると、
彼らと「ヒト」は、 ”次元”の違う世界に生きていると思わざるを得ません。。
今回意識した「時間の流れ方の違い」という新しい観点から、
自分の周りのことを、もう一度見返してみる。。
すぐに行動する人、作業が早い人、人生のサイクルが早い人は、
そうでない人と違うものに気付いている。。
そして、その逆も同じ。
ゆっくり行動する人、人生のサイクルがゆったりとしている人も、
そうでない人とは違うものに気付いているかもしれません。。
私たちの生きる社会、特に働く社会では、、
「すぐに行動する」種の人が重宝され、
私自身もこの波に乗ろうとしているけれど、
「時間の流れ」が違う人達は、互いに違うものに気付いていると考えることもできそうです。
「ゆっくり行動する」種の人達は、
「すぐに行動する」人達に「そんな生き急いで、なんか痛々しい」なんて言わず、
「すぐに行動する」種の人達は、「ゆっくり行動する」人達に腹を立てない。そして、彼らの生き方に耳を傾けてみる。
もしかすると、
この社会では重宝されている「すぐに行動する」種の人も、
何かを恐れているだけで、
実は、「ゆっくり行動する」種の人の生き方に、憧れているのかもしれません。
「ナニカヲ ウシナウコトガ コワイダケ」
「ヒテイサレルコトガ、コワイダケ」
「ミトメラレナクナルコトガ、コワイダケ」
「ヨッキュウヲ ミタセナクナルコトガ コワイダケ」
「ビンボウニナルノガ コワイダケ」
「恐怖を味合わせておけば、人民は言うことを聞く。」
「その中で、一筋の希望という光を与えておけばよい。」
「自然と、見たくないものは見なくなる。」
この言葉に少しイヤなものを感じますが、
もしかしたら心の中でも、同じことが起こっているのかもしれません。
「オマエハ、イッタイナニヲ、オソレテイルノカ?」
「ミタクナイモノノナカニ ホントノ オマエガ カクレテ イルノデハナイカ?」
しばらく、自分に問いかけてみようと思います。
これまで自分と家族を守るために、封をして大切に守ってきた開かずの箱。
思いきって開けてみようと思います。。何か良いことが起こりそうです。
ありがとうございました。
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やす君パパのLiveブログ。