妻は子供を連れて、一月ほど前に家を出ました。
今まで通り、これといった変化はありません。
家族が出て行ったあと、
私は、自分自身のこと、そして今後どのようにしたいか、
自分の心に正直に、しっかり考えようと心に決めました。
そのため、これまで夜遅くまでやっていた仕事は、
取り組み方を大きく転換し、定時過ぎには帰宅することに決めました。
- 担当者が複数いる業務は他人に任せる
- 無用なこだわりは、全て捨てる
- 頑張らなくてもいいところは、本気で力を抜く(押さえる所だけ押さえる)
- 仕事を早く切り上げるために、周囲に協力を求める(帰宅時間を宣言する)
最初の数週間はほとんど残業することもなく、何とか乗り切ることができました。
ただ、最近始まった新しいプロジェクトのため、周囲がにわかに忙しくなりました。
そして、私はどういうわけか、プロジェクトの管理、そして、相手企業との調整などの役回りまで任されることになりました。
この状況、、、、
もし、以前の私であれば、「新しい仕事」「厄介な仕事」は、
多少は「メンドクサイ・・」と感じつつも、心なしか喜んで対応していたように思います。
そして、このような状況では、
自分の「やりたい」気持ちと、組織の「やらせたい」都合のつり合いが取れていたため、
私自身も、違和感や「イヤダ」という思いを、さほど感じることなく、
充実した日々を送れていたのだと思います(※)。
(※)ただ、この時の私は「家庭」という大切なものの存在を忘れていることに、まだ気付いていませんでした。「できる限り正しいことをして、家族のためにお金をしっかり稼ぎ続けなければならない。決して、滞ることは許されない。。お金が無くなってしまったら、お金がないことを言い訳にすることになってしまう、、、」という、焦りに突き動かされていました。。
つまり、今までは
自分の気持ちと、会社の都合という「両者の利害が一致」していました。
しかし、今回少し立ち止まって、
「定時に帰ろう」「仕事だけで毎日の時間を埋めることはやめよう」
と思った途端に、ひずみが出てきました。
これまでのことを、今、もう一度振り返ってみると、
「ひずみ」「違和感」の予兆のようなものはありました。
それは、一年前に二人目の子供が生まれたときの、会社での出来事でした。
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妻は上の子の時と同様に、
里帰り出産ではなく、立ち合い出産を選びました。
ただ、予定日から大幅にずれ込んだこともあり、
当初上手く行っていた職場との休暇の調整は、大きく変更されることになりました。
- 「奥さんが出産するんだから、やむを得ないことはわかっている。」
- 「ただ、仕事くらいは、ちゃんとやってほしい。」
- 「一体あなたは、仕事をするつもりがあるのか、ないのか、はっきり教えてほしい」
- 「仕事をするつもりがないんだったら、担当を他の人にかえるから。でも、“できない人”というレッテルを貼られちゃうよ。」
- 「そんなあなたには、危なっかしくって仕事はあげられないし、あなたにあげられる仕事がウチの部署にあると思う?」
- 「一体いつになったら、子供や家族のために休むことが無くなるのか教えて。周りが心配にならないように気を付けてほしい。」
- 「今までちゃんと仕事ができずに外されていった人が何人もいること、知ってるよね。あなたもそんな目に合いたいの?」
- 「あなたと仕事すると、ほんと心臓に悪い。自分のやっていること、分かっているの?」
顔を合わせるたびに、上司に言われました。
定期的な全体ミーティングでも、毎回のように、
「あなたは要注意人物だから」「目をつけられているんだからね」と、言われ続けました。
ただ、この時の自分は、何を言われても受け流していました。
- 「当初の予定通りに仕事が進まず、予定が変更になるのは、誰も気分がいいものではない。」
- 「きっと、繊細な上司なんだろう。ここで何を言ってもしょうがないか。。」
- 「迷惑をかけていることは間違いないし、家と仕事を両立する以上、このくらいのことは耐えられなくてどうする。。」
- 「男なのだから、何を言われたって、多少辛くても、歯を食いしばって、家族を支えなければならない。そんなことは当然のことだ。。こんなことくらいで辛いなんて言ってられない。」
ただ、自分が原因で迷惑をかけていることに、申し訳なく感じているものの、
自分でコントロールできない無力感、そして、理不尽な言われ様に、
やるせなさが込み上げてきました。。
ただ、周囲には、
「家庭のことで迷惑をかけて申し訳ない」と頭を下げながら、やり過ごしていました。。。
そして、目の前にいるのは、上司ではなく、
実は「すごく不安になって、相手への小言が止められなくなった可憐な女性なのだ。」「そんな人を相手にしても、しょうがない・・・」
と思い込むことにしていました。。
仕事をしたくないわけじゃない。自分はそこまで出来の悪い人間でもない。。
でも、私には「家庭内の役割」もある。。
そして、家庭内の夫、父親という役割は、自分にしかできない、、
でも、家族を支えるためには、職場とも何とか上手くやらなければいけない。。
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「仕事」と「家庭」のバランス。
「仕事をしたい」という自分の気持ちと、「仕事やらせよう」という組織の都合との駆け引き。
「仕事をせざるを得ない」という状況と、「家族の時間も持ちたい」という心の葛藤。
互いに複雑に絡み合い、
何かを選べば、何かを失うようで、
何も選ばなければ、何かが起こるような不安もあり・・・
ただ、時間だけが過ぎていきました。
そして、「できないやつ」「迷惑をかけるやつ」「仕事をもらえなくなる」ということが現実になることを恐れ、目先のことばかり見て、相変わらず遅くまで一生懸命働いていました。
人に相談しても、
「父親は頑張らなきゃね」
「うちも大変だよ」と声をかけられるだけ。。。
そして、どうすればよいのかわからない自分に、苛立っていました。どうしようもなく不安になっていました。
そして、ただ好きだった「今の仕事」への気持ちに、
小さな違和感が生まれたような気がしました。
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できることなら、ここの段階で気付いていればよかった。
独身時代の私は、ストレスを感じたときの対処法として、「2段階のストッパー」(※)を持っていました。
(※)2段階のストッパー:①ストレスをためない心がけ+②ストレスの解消法)
そして、先日の投稿では、
転職、結婚後の生活、子供が生まれた後の生活の中では、
今まで使ってきたストッパーが利かなくなっていたことについてお話ししました。
その時は、
「10年以上前のストッパーは、そのまま使えない」
⇒ 「定期的に更新は必要」⇒ 「新しい方法を考えることが必要」と漠然と捉え、
ずっと新しい方法を模索していました。
- 自分の本、子供に買った本、妻の置いていった本(ほとんど読んだことはありませんでした)からヒントを得ることを試みたり、
- 仮想的に色々な両極論を想定してみたり、
- 自分の正直な気持ちに聞いてみたり、
- 書店で立ち読みをしたりしましたが、
今のところ、
適当そうな「ストレスに対する”新しい”対処法」はまだ見つけられていません。
「生活が変われば、今までのやり方を更新する」ことは必要ですが、
もしかしたら、「全く新しい方法」を探すことに固執しすぎているような気もします。
「普通」の生活をしている(※)程度なら、
もしかしたら、今までのやり方をベースとして、再検討することでもいいのかもしれません。。(あくまでも仮説です)
(※)イメージとしては、知的財産権の「特許」と「実用新案」に重なるような気がします。
【特許】進歩性(簡単には思いつかない程度の目新しさ)がある大発明
【実用新案】特許には該当しない程度の(そこまで斬新ではない)、小発明。そして、自然的な進歩よりは目新しいもの。
⇒ 大幅な変化を伴わない「普通の生活」をしているなら「ストレスに対する対処法」もそこまで大幅に変わらない気がしました。生活する文化圏が変わる、貧しかった人が大金を得る(事業に成功する?宝くじに当たる??)ような大きな生活の変化を伴う場合に限り、「ストレス対処法」や「考え方」の全面刷新が必要となるように思いました。
このようなことを元に「ストレスをためない心がけ」を考え直してみると、
<今後の生活でのストレスをためない心がけ>(色字部分追記)
その①:仕事にメリハリをつける ⇒ 仕事と家庭と自分の時間にメリハリをつける・・・できるだけ、自分と家族の時間を重ねられるモノを見つけるとみんな幸せ(昔から好きだったサーカス・博物館に、家族と一緒に行く。きっと子供も大はしゃぎ。妻は??少し不安。妻だけの時間にあててもらう?)
その②:やりたいときにやりたい運動を精一杯する ⇒ 時間節約のために、子供がプールに行っている間(約40分)に、併設のジムで効率的な運動をする。通勤時は、歩かず走る。
その③:仕事とは関係ない勉強をやっみる ⇒ 自分の時間は、仕事を削って作る。仕事だけに没頭しない。・・・家族の時間を削って作ろうとしない。
その④:機械いじりをする(いまのところ変更不要)・・・車の調子は相変わらず気分屋。ただし、時間を見積もって作業を開始する(早朝から作業すれば大体OK)。
その⑤:今後のことを考える(いまのところ変更不要)・・・自分、妻、子供達の現在、未来のことを考える必要あり。ただし、考えて過度に不安になりすぎない。過剰に心配しすぎない。家族を守ろうと頑張りすぎない。そして、妻と子供たちのことは個々に任せる。上手く行かなくても、何とかすればいいじゃないか!の精神を忘れない。
その⑥:思い立ったら即行動。やる必要もない無駄な行動もとってみる。(いまのところ変更不要)・・・子供たちにとっても悪いことではないように思います。ただ、あまりにも無駄すぎる行動は慎むようにします。
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家族が出て行ったことで、
私は、自分自身のこと、そして今後どのようにしたいか、考えてみました。
そして、今まで好きだった「現在の仕事」が、
私の時間、思考、余裕を奪っていることを、身に染みて実感しました。
そして、家族との関係を壊す一因となっていた(※)ことに、やるせない思いを感じることになりました。(※)もちろん他にも原因はあります。
以前より、職場の同僚からは、冗談めかして話は色々と聞いていました。
「○○さんは、子供に顔を忘れられちゃったらしい」
「顔を見たら泣かれちゃうようになったみたい」
「父さんと出かけるの、嫌がられているらしい」
ただ、私は毎日保育園の送りもしているし、子供と話もしているし、
病気の時は仕事を休んで一緒に過ごすことも度々あるし、休日も一緒に出掛けている。
・・・完全に他人事でした。
「自分の心が仕事で一杯になって、他のことを考えたり、受け入れたりする余裕がなくなる」
これが、私に突き付けられた現実でした。冒頭に挙げた、効率化の対策。。
- 担当者が複数いる業務は他人に任せる
- 無用なこだわりは、すべて捨てる
- 頑張らなくてもいいところは、本気で力を抜く(押さえる所だけ押さえる)
- できるだけ早く仕事を切り上げられるように、周囲に協力を求める
に加えて、仕事に対しては、<今後の生活でのストレスをためない心がけ>で挙げたルール、、、
- 「仕事と家庭と自分の時間にメリハリをつけることを意識する。」【その①】
- 「自分の時間は、家族の時間ではなく仕事の時間を削って作る。仕事だけに没頭しない。」【その③】
ということを、職場に対しては戦略的に実践(※)していこうと思います。
(※)家族とは、ズルい駆け引きをするつもりはありません!小手先のテクニックも使いません!今までも、これからも。。(今後色々あるかもしれないので、自分に対する宣言です。まずは自分の心に正直に。。)
幸いなことに、
最近社内では「定時退社、残業削減」が叫ばれています。尋常ではない気迫で。。。
ただ、この「神風」に乗って、
私の「仕事と家庭のバランス」の問題に限っては、一気に推し進めていけるような気がしています。
きっと何かが助けてくれている。。
私と大切な家族のために、たとえ結果がどうなったとしても。。
そういえば、自分のモットーも「思い立ったら即行動!」でした。。
今日もありがとうございました。
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やす君パパのLiveブログ。